
法的リスクの全体像を概観するにGood
システム開発における法的リスクの問題を扱ったものである。実際の係争事例が多数紹介されており、新聞紙上を賑わせた事件もとりあげられている。
本書ではシステム開発における法的なリスクを以下の観点で整理している。
1)著作権、特許権の侵害
2)仕様変更による追加料金のトラブル
3)システム障害やバグの損害賠償
4)契約相手の倒産
5)基準労働時間の超過
6)下請けや派遣契約での法令違反
7)個人情報や営業機密の漏洩
いずれもシステム開発の現場では十分起こりうるケースであり、訓練されたマネージャならあらかじめ対策をとっていてしかるべきものだ。その意味ではとくに目新しいことはない。
また取り上げられたリスクも、半分は現場のマネージャがコントロールすべきものだが、あとの半分は個々のプロジェクトではなく会社として対応すべきものである。その点の区別が本書のなかではやや明確ではない。
SEのための、と銘打ってはいるが、基本的には法的リスクは開発技術者が独力で工夫できるような問題ではなく、マネージャなり会社の法務部門なりが組織として対策を打たなくてはならない類のリスクだ。
また本書の中でも指摘しているが、ほんとうの係争局面では、一般的な法律の心得、くらいでは何の役にもたたない。逆に本を読んだくらいの知識で素人判断をするのは大変に危険だ。そうではなくて、法的リスクの存在する局面を理解しておいて、迷ったらでき...
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